こんにちは、元臨床心理士の春井星乃です。
現在は、心理学・精神分析・エニアグラムを通して性格構造を明らかにする「イデアサイコロジー」を提唱しています。
「仕事・恋愛・人間関係の悩みを根本から解決!最も正確な自己分析のやり方」シリーズの第7回目の記事です(まず↑の記事から順にお読みください)。
今回は、エニアグラムのタイプ3(実業家)の特徴についてお話します。
前回同様、自分や周囲の人たちに当てはまるかどうか考えながら読んでみてくださいね。
タイプ3の世界観と自己・他者イメージ
では、まずタイプ3の内面的特徴についてです。
第2回「フロイトの意識発達理論とエニアグラムタイプ」の記事で、タイプ3は「身体対身体の世界」で「世界の中心になれている」という満足感をベースに形作られるとお話しました。
これは、親に「注目され、(他の身体よりも優れた)世界の中心として扱われる」という経験から生じてきます。
具体的には、自分の能力や容姿を褒められたり、兄弟姉妹の中でも優位な立場として扱われたり、家族の中心として常に注目されているという感覚を感じながら育つなどの経験です。
そこから、
自己イメージ:世界の中心と認められ、評価されている自分
他者・世界イメージ:自分を中心であると認めてくれるもの
という自己・他者イメージが作られます。
タイプ3の好きなこと・嫌いなこと
すると、この世界観で自分を守るために、「自分は世界の中心である=他よりも優れている」という状態を維持しようとする力が働くようになります。
タイプ3にとって、世界とは「人間の身体と身体の関係の中で築かれているもの」なので、その中で親=外部の基準で優れていると認められた自分イメージを維持しようとするのです。
したがってタイプ3は思春期になると、自分が社会の基準で優位であることや他人にそう認められることに喜びを感じるようになります。
社会の基準とは、学力・学歴・スポーツ・容姿・何らかの技術(楽器等)・社会的地位など、社会でそれがあることがよいと認められている価値です。
また、タイプ3は社交的で、広く多くの人と関係を持つことに喜びを感じます。社会的に有力な人と知り合いであることが自分の価値に関係するという感覚を持つ場合もあります。
そして、逆に社会的基準で自分が優位に立てないこと、他人に認められないこと、下に見られることを嫌がります。
好きなこと | 自分が社会の基準で優位であること・他人に自分が優秀であると思われること・広く人と関わり人脈を作ること |
嫌いなこと | 自分が社会の基準で優位に立てないこと・他人に見下されること |
長所 | 努力家・コミュニケーション能力が高い・プレゼン能力が高い・常識人・好奇心が強い |
短所 | 自分の優位性を示したがる・プライドが高い・全てを社会的基準の優劣で判断しがち・常識外のことを受け入れられない |
趣味 | 英語・海外旅行・勉強・資格取得・株などの投資・パーティ |
仕事 | 社会的地位の高い仕事・英語を使用するもの・人と接する仕事・人前で何かを伝える仕事(司会・アナウンサーなど) |
タイプ3の長所
タイプ3は、前提として「世界の中で優位に立っている」という自己イメージがあるので、地味で控えめな雰囲気の方もいますが、根本的なところでは自信家で、他者・世界に対する信頼感も高いので社交的です。
社会的に認められたいという強い欲求があるので、どの分野でも一度目標を決めると努力を惜しまない努力家です。プレゼンテーションや司会など、人前で話す能力に長けている方も多いです。
自分で独自に作った内容よりも、他の人が作った内容を伝えるということに能力を発揮しやすい傾向もあります。
また、基本的に人と関わるのが好きなので、コミュニケーションスキルも高く、広い人脈を持つ傾向があります。好奇心が強く、興味を持ったことはとことん追求したりします。そして、社会的に認められる人物を目指すので、きちんとした常識をわきまえています。
しっかりした常識人で目標達成のために努力を惜しまないというイメージはタイプ1とも通じるものがありますが、タイプ1はどこか超然としたクールなイメージがあって、あくまで自分の善をもとに行動するのに比べて、タイプ3は明るく社交的で外部の基準での優劣をもとに行動します。
タイプ3が更に欲求・不安のコントロール度を上げると、タイプ3の長所を保ったまま、自分の優位性を誇示しようとせず謙虚で、自分も他人も社会の基準だけで判断しないという状態になっていきます。
社会で常識とされている分野だけでなく、目に見えないものや相反する考え方、新しい潮流なども取り入れ、より広い考え方を手に入れるようになります。
タイプ3の短所
逆に、タイプ3の欲求・不安のコントロール度が下がっていくと、短所として、自慢が多いなど自分の優位性を示したがる、プライドが高い、全てを社会的基準での優劣で判断しがち、他人を見下す、前例があるものや常識以外のことを受け入れられないという特徴が現れます。
自分の優位性を示したいという欲求がコントロールできなくなると、自分の業績を誇張して称賛を求めたりするようになり、自己愛性人格障害につながっていきます。
また、自分の理想とする状態に到達しそうもない、自分の優位性が崩れると思うと、嘘をついてその場をごまかしたりするようになります。
これが悪化していくと、抑うつ状態になって無気力・無関心となることもあります。
タイプ3の趣味と仕事
タイプ3が興味を持つことで、最も特徴的なのは英語です。
常に世界の中心でありたい欲求と広い世界で活躍したい、多くの人とコミュニケーションしたいという気持ちがあるので、必然的に英語を学習したいと思うようになります。英語が話せる人は社会的にも評価が高いです。当然、海外旅行・留学等にも興味を持ちます。
そして、もう一つは、株などの投資です。
また、勉強してスキルアップすることで喜びを感じるので、様々な分野での資格取得に取り組むことも多いです。
基本的に、タイプ3は社会的によいと認められることで、遺伝的、経験的に自分に向いていることであればなんでも挑戦し、努力を積み重ねて評価を得るということに興味を持ちます。ピアノやヴァイオリンなどの楽器演奏やスポーツもそのうちの1つです。
また、パーティなど沢山の人が集まる場で、多くの人と知り合い会話を楽しむのも好きです。
まれに、タイプ3が社会的基準を超えたものを追求したいと考えた場合や、社会的に認められた分野では自分は成功することができないと判断した場合、スピリチュアルな分野に興味を持つケースもあります。
次に仕事ですが、以上のようにタイプ3は基本的に仕事に関してはオールマイティでなんでもできるタイプです。
より望ましいのは社会的に評価の高い仕事、英語を使用する仕事、人前で話す仕事(司会者・アナウンサー)、多くの人と関わる仕事となります。
タイプ3−2の外面的特徴・有名人事例
タイプ3—2は、基本的に、誰からも好かれる好人物で社交的、親しみやすい常識人という雰囲気を持っています。
顔や身体には、タイプ3—2すべてに共通する大きな特徴は特に見られません。
◉タイプ3−2の男性有名人
イケメン系 | 櫻井翔・高橋克典・藤木直人・江口洋介・要潤・上川隆也 |
司会者・芸人系 | 中田敦彦・上田晋也・恵俊彰・田中裕二・矢部浩之・陣内智則 |
熱血系 | 松岡修造・武井壮・杉村太蔵 |
控えめ系 | ふかわりょう・濱口優・福田充徳・斎藤司 |
毒舌系 | 長嶋一茂 |
◉タイプ3−2の女性有名人
清楚系 | 松たか子・松田聖子・松嶋菜々子・南野陽子・高橋みなみ |
司会者系 | 水卜麻美・川田裕美 |
毒舌系 | 細木数子 |
タイプ3—2の男性有名人は遺伝や経験の違いによって、大きく5つの系統に分かれます。俳優中心の「イケメン系」、常識をわきまえ話がうまい「司会者・芸人系」、目標達成を重要視する「熱血系」、優しくやや地味めな「控えめ系」、思ったことを口にする「毒舌系」です。
特に面白いのは、タイプ2—3とタイプ3—2に、司会者として活躍している人が非常に多いことです。
世間が求める司会者となるには、タイプ2の親しみやすさ・責任感とタイプ3の常識・話のうまさの組み合わせが必要とされるのかもしれません。また、タイプ3−2男性は政治家にも多いです。
タイプ3—2の有名人女性は、大半が女優・歌手中心の「清楚系」と常識人で話がうまい「司会者系」に分かれます。ただ遺伝や経験、期待されるイメージによって、気が強く威圧的な雰囲気の「毒舌系」となるケースもあります。
タイプ3−4の外面的特徴・有名人事例
タイプ3—4は、タイプ3—2からタイプ2の要素がなくなり、タイプ4の自分の基準や個性、美の追求が入りますので、タイプ3—2よりも親しみやすさは少なくなります。
そして、社会的な基準での優秀さを追求するというイメージが強調され、タイプ3—2よりも自分軸の生き方をしているという雰囲気になります。
顔の特徴としては、ややツリ目で、タイプ3—2よりもミステリアスな雰囲気の目をしている傾向があります。身体には特に共通する特徴はありません。
◉タイプ3−4の男性有名人
イケメン系 | 松本潤・木村拓哉・佐藤健・岡田准一・本木雅弘・郷ひろみ |
司会者・芸人系 | 後藤輝基 |
毒舌系 | 石原良純 |
◉タイプ3−4の女性有名人
清楚系 | 広瀬すず・柴咲コウ・河北麻友子・蛯原友里 |
毒舌系 | デヴィ夫人・西川史子・神田うの・梅宮アンナ・田嶋陽子(女性学研究家)・勝間和代(評論家) |
タイプ3—4の有名人は、男性は「イケメン系」「司会者・芸系」「毒舌系」、女性は「清楚系」「毒舌系」に分かれます。タイプ3—2は「いい人」であることを好みますが、3—4はそういう傾向はないのでより「毒舌系」になる確率が増えます。