こんにちは、元臨床心理士の春井星乃です。
現在は、心理学・精神分析・エニアグラムを通して性格構造を明らかにする「イデアサイコロジー」を提唱しています。
「仕事・恋愛・人間関係の悩みを根本から解決!最も正確な自己分析のやり方」シリーズの第22回目の記事です(まず↑の記事から順にお読みください)。
さて、この自己分析シリーズも最終回になりました。第1回から第21回まで、あなたの性格の全体像を探ってきましたが、自分の性格が分かってくると、今度は周囲の人の性格が気になってきますよね。
そこで、今回はあなたの周囲の人たちの性格分析のコツについてお話したいと思います。
最も面白く役に立つのは周囲の人たちの分析
イデアサイコロジーでは、もちろん自分の性格を知ることがすべての核心ではあるのですが、一番の面白みであり、かつ役に立つのは、実は周囲の人たちの分析だったりします。
両親、兄弟姉妹、彼氏・彼女、夫・妻、子供、職場の上司・同僚・部下など、あなたの生活に重要な周囲の人たちの性格の全体像がつかめれば、大体の問題の解決策が分かり、適切な対処をすることができるからです。
ただ、やはり他人の分析は、自分のことが正確に分かっていないとできないので、まずは自分の性格の全体像を知らなければならないのですが。
イデアサイコロジーの目指す場所
ですので、イデアサイコロジーが目指しているのは、みなさんにご自分の性格の全体像を知って頂いた上で、周囲の人たちの分析がパッとできるようになって頂くことです。
このシリーズで何回もお話していますが、人の性格を掴むためにはエニアグラムタイプをまず知ることが重要になってきます。そして、エニアグラムタイプを知る上で最も重要なのは、顔つき身体つき雰囲気などの外面的特徴です。
なので、分かりやすい方は一瞬で「この人はタイプ○だ」と分かってしまうようなことも結構あります。この感覚をお伝えして、みなさんが少しでも楽に、より幸せに過ごせるようにお手伝いできればというのがイデアサイコロジーのコンセプトになっています。
また、自分と他人を正確に知ることができる人同士が出会ってはじめて、本当の共感や相互理解、信頼関係が生まれると考えているので、みなさんにぜひそういう関係を築いて頂きたい、そして、そういう方たちとの交流を深めていきたいという思いもあります。
今はご自分の性格の全体像を掴むのに四苦八苦しているという方も多いかと思いますが、自分を正確に知ることができれば、周囲の人たちの分析は場数をこなすことでできるようになっていきます。
この記事では、そのコツについて、言葉でお伝えできる範囲になりますが、お伝えしたいと思います。
周囲の人たちの分析のコツ
この自己分析シリーズでは、あなたの性格の全体像をつかむためにまずエニアグラムタイプの判定から始めました。周囲の人たちの分析でも同じように、エニアグラムタイプの判定から行っていきます。
ただ、自分の性格を見る場合は内面的特徴から見ましたが、他人を見る場合は外面的特徴から見ていきます。
(1)まず見たい人の外面的特徴を見ます。最初に全体的な雰囲気、次に顔の作り、身体つきを見ましょう。
(2)第5回から13回記事の各エニアグラムタイプの外面的特徴、各サブタイプ内の系統も含めて照らし合わせて、どのタイプが近いか判定します。似ている有名人がいれば参考にしてください。この時点で1つに決まる場合もあれば、複数の候補が出る場合もあります。
(3)次に内面的特徴を見ます。(2)で候補に上がったタイプの内面的特徴と見たい人の内面的特徴を照らし合わせます。外面的特徴・内面的特徴ともに一致するタイプがあれば、それがその人のタイプです。タイプが分かった場合は、その人の内面的特徴と、各タイプの内面的特徴の欲求・不安のコントロール度が高い時、低い時の記述を照らし合わせれば、欲求・不安のコントロール度が分かります。
(4)ここまでで分からなかった場合は、本人に「好きなこと・嫌いなこと・長所・短所・趣味」を聞いてみるのも1つです。聞くことができない場合は、そのような視点で相手を観察していくと見えてくることがあります。
(5)それでもタイプが不明な場合は、乳幼児期・児童期の自己・他者イメージや他者化の影響が強い場合、自我同一性拡散の場合が考えられます。
(6)ここまでで終了しても構いませんが、家族や恋人などより詳しく知りたい場合は、さらに、乳幼児期・児童期の経験、中学生以降の経験を聞いてみましょう。それが本人の性格にとってどれくらい影響力を持っているのかや他者化の有無も見極めます。第19回の「あなたの「4つの層の同一化の型」は?」のAからHの同一化の型に当てはめて考えてみましょう。
(7)さらに遺伝の影響も見たい時は、本人の両親・兄弟姉妹・祖父母・おじおば・子供で本人に顔・身体付き・性格が似ている人を探してみましょう。その際は、エニアグラムタイプの影響を差し引いて、その人たちに共通する特徴を見出すようにするのがコツです。
他人のエニアグラムタイプは、慣れてくると外面的特徴の分析だけで分かる場合が増えていきます(分からないときは決めつけず、分からないままにしておくことも大切です)。
相手のエニアグラムタイプと欲求・不安コントロール度が分かると、大体の行動原理をつかむことができます。
すると、恋愛や結婚相手、仕事のパートナーなどを選ぶ時、そもそもその相手は深く付き合える信用できる人物なのかどうかを判断することもできますし、職場の上司・同僚など浅い関係の人とうまく付き合う方法も分かります。子供や部下の場合はどのように導けばいいかも分かります。
また、他人に何か嫌なことを言われても「あの人はタイプ◯で欲求・不安のコントロール度が低いからあんなこと言うんだよね」と納得して、気にしないようにすることもできます。
まずは、第1回から21回までの記事の内容を頭に入れて、性格の構造や各エニアグラムタイプの大体の雰囲気を掴んだら、いろんな人を観察してみるのがお勧めです。
より幸せに生きるために
さて、全22回のこの自己分析シリーズはいかがでしたでしょうか?性格とはどういうものか、どうすれば自分と周囲の人たちの性格の全体像を知り、悩みを根本的に解決することができるのかがお伝えできていれば嬉しいです。
イデアサイコロジーでは、私たちがより幸せに生きるためにはエニアグラムタイプを意識化し、欲求・不安のコントロール度を上げることが重要だと考えています。「性格の4つの層の同一化の型」でいえば、A.エニアグラム型を目指すことです。
さらに欲求・不安のコントロール度を上げていけば、膨大なエニアグラムタイプのエネルギーや長所、遺伝の影響さえも自由に利用する事ができるようになっていきます。そして、自分の本質部分と繋がることで他人とも理解し合い、深い絆を持ちながら生きるようになります。
もちろん、他者化や乳幼児期・児童期の自己・他者イメージの位置で留まるのも1つの生き方として尊重しなければなりませんが、目指すべきゴールはその方向性にあると考えています。
現在様々なビジネス書・自己啓発書・メンタル本・ネット記事・YouTubeなどで成功法則・悩みの解決法等が語られていますが、他者化や乳幼児期・児童期の自己・他者イメージの影響が強い人や欲求・不安のコントロール度が低い人がそのような成功法則、悩みの解決法を実践しても、どうしても無意識にその人特有のネガティブなイメージやタイプの不安などに影響されたりして、成功・改善することは難しくなってしまいます。
例えばタイプ5の人が、タイプ3の優秀なインフルエンサーの言う通りに行動した場合、短期的には成果を上げたとしても長期的にタイプ5らしく成功することは難しく、結果的にストレスがたまったり精神的に問題が生じたりしやすくなります。また、どんなに優秀なインフルエンサーの言うことでも、取り入れ方によっては新たな他者化を生むことになる場合もあります。
つまり、個人が成功し、より幸せに生きるためには、まず自分の性格の全体像を正しく認識し、エニアグラム型を目指すことが先決だと言えます。そして、欲求・不安のコントロール度を上げ、自分の性格の全体像とエニアグラムタイプに合った戦略を立てて行動をすることが重要となります。
ぜひあなたも、第21回で出した性格の全体像とエニアグラムタイプの示す成長の方向性をもう一度見直して、あなただけのゴールを見出していただければと思います。この自己分析シリーズが、あなたが実生活の悩みを根本から解決し、より幸せに生きるための方向性を見出す力となることができれば幸いです。