こんにちは、元臨床心理士の春井星乃です。
現在は、心理学・精神分析・エニアグラムを通して性格構造を明らかにする「イデアサイコロジー」を提唱しています。
個人セッションを開始して2ヶ月が経ちました。日々、いろいろな方のこころの構造を共に探っていくことをしているのですが、私もそれを通して本当に多くのことを学ばせて頂いています。
さて、また自己分析セッション3回を修了し、ご感想をくださった方がいらっしゃいますのでご紹介しますね。
今回は、Mさん(40代男性)です。
<自己分析セッションのご感想:Mさん(40代男性)>
この度は個人セッションありがとうございました。
3月の頭から週一回で受けた合計3回のセッション。
この間で自分の中の色々なことがクリアになった、そんな気がしています。
すごく心が軽くなりました。
セッションを受けるまで、それなりに書籍などからエニアグラムを学び、自己判定をしていました。
その判定にもある程度自信を持っていたのですが、セッションを受けた結果、それは間違っていて、正しく自己判定が出来ていなかったことが分かりました。
その判定結果に驚きましたが、やっぱり自分のことを自分で判定することは難しいんだと実感しました。
だからこそ、イデアサイコロジーの考え方、視点が大切なんだと思います。
僕が考えるイデアサイコロジーの真骨頂は「容姿や雰囲気が判定を決める大きな判断材料になる」というところです。
心理テストや自己診断ではあくまで、意識している部分でしか推し測れません。しかし、外見はまさに無意識。そしてそれはいつも他人に晒されている。その無意識の存在の方が自分に多くの影響を与えていると思います。
そんな状況下で自分の外見を一般的な指標で正確に判断してもらえる、その機会は大変貴重だと思います。
僕自身の雰囲気まで含めた全体性を感覚を交えて、伝えてくださいました。
その経験と専門性の高さに信頼がおけて、論理的な理解だけでなく、感覚的な安心感、納得感を感じました。
そのおかげで、セッションを受けているうちに、だんだん「そのままでよかったんだ」と心が落ち着いてきました。
その安心感があったからこそ、自分の乳幼児期の経験、学童期の経験、中学以降の経験とひとつひとつを落ち着いて振り返ることが出来たと思います。
僕自身のエニアグラム判定を確かなものにする為に「遺伝」との切り分けをじっくりされました。
そこでの一番の驚きは、遺伝的には父に似ていると思い込んでいたけど実は母の方が遺伝の影響が強い、ということでした。
子どもの頃からお父さんそっくりだねと言われ続けてきたので、そこには何の疑いも無かったのですが、冷静に考えるとそうでもないかも。
母に似ている要素は思ったより多かったように思います。
そして、その母が思う理想像に近づこうと無意識に思い、それが子供の頃の自分を作っていたんだと理解することが出来ました。
それ以外無いと思うくらい無意識にこびりついていたあるべき姿。
それを自分が勝手に取り込んで、そうなろうと頑張った歴史。
そんな小さな頃の自分の心ともう一度向き合いました。
この自分をしっかり、癒してあげる必要があったのだと思います。
その自分を差し引いて、もう一度自分を振り返ったとき、春井さんから言われたタイプがすごく腑に落ちました。
自分の中のエニアグラムタイプと小さい頃に作り上げた「こうあるべき」が自分の中で混在しているような状況でした。
そんな絡まった構造の性格が色々な場面で無意識に働き、自分ではそれをうまくコントロールしきれていませんでした。
イデアサイコロジーでいう「自我同一性達成」ここを目指すためには、自分の性格がどのように作られてきたか知る必要があります。
そこを目指す上で、親との関係で作られた、無意識化している観念に気付く必要があるのですが、そこはひとりで気付くことは至難の業。
やはりこういったセッションは必要なんだと思います。
そして、最後3日目に春井さんがこのようなことを仰いました。
「自分が本当にやりたいことをする上では、エニアグラムタイプの存在は小さいもの。やりたいことをする上での意識化の方向性を示すものに過ぎない」
自我に囚われることなく、自分の人生を最大限輝かせたい。
やっぱり一度切りの人生ですから、最後はここへ向かっていきたいのです。
ここへ向かっていく上で、絡まった糸を解き、やりたいことへ集中する必要があります。
その前段階の意識の持ち方として、イデアサイコロジーの勉強はすごく役に立ちます。
そして、ここが腑に落ちると心が軽くなり、意欲、アイディアも浮かびやすくなります。
無理やり頑張るのではなくて、自然にそこへ向かっていける感覚。
セッション後はそんな気持ちに満たされ、目の前がパッと開けたようでした。
自分自身を正しく知るためには、周りからのフィードバックが絶対に必要。
でも、様々なフィードバックにまた悩まされる。
そんな悩みを抱えてしまうこともありました。
周りに振り回されず、しっかり地に足を付けて自分を見つめること。
それがこれからの時代、益々必要になってくると思います。
これから更に理解を深めるため、両親や家族を対象にエニアグラムや性格構造の理解を進めていきたいと思います。
今回は大変実りのある個人セッションをありがとうございました。
これをきっかけに、一つ確実な軸が出来ました。
これからも更に学び続けたいと思っています。
引き続きよろしくお願いいたします。
これまで女性の方のご感想が続いたのですが、今回は男性の方です。
一般的に、カウンセリングを受ける方には女性が多く、男性は少ない傾向があります。IDEA PSYCHOLOGYでもその傾向はあって、男性の方は少なめです。
Mさんは「イデアサイコロジーの真骨頂は「容姿や雰囲気が判定を決める大きな判断材料になる」というところです」と書いてくださっていますが、本当にそこは最も重要な点です。Mさんの場合も、まずはそこが大きなきっかけとなりました。
ただ、タイプ判定が非常に難しい場合もあります。自分のタイプの欲求・不安を意識していない場合、外見や雰囲気にもタイプの影響が出にくくなるからです。
セッションを続ける中で、私がクリニックでカウンセリングをしていた約20年前よりも「パッと見でタイプが分かる」という人が減っていると感じるようになりました。
このブログでもいつも書いていることですが、2000年代初頭までは「自己の時代」で感情や個性をストレートに出すことがカッコいいとされていました。でも、2000年代初頭以降は「他者の時代」となり、他者の意向や社会的規準、権威、科学などを重要視するのがカッコいいとされるようになったんですよね。
エニアグラムタイプは、自分の奥底から湧き上がってくる感情とつながらなければなかなか意識化が難しい部分があります。なので、感情や内面と向き合うことがカッコ悪いとされる「他者の時代」では、当然エニアグラムタイプを意識化する機会は減ると考えられます。
その点でも、自分でエニアグラムタイプを判定するのはますます難しくなっています。特に、「自己の時代」を知らない若い世代はタイプが出にくくなっているのではと思います。
もう一つ、Mさんのご感想のなかに、私が「自分が本当にやりたいことをする上では、エニアグラムタイプの存在は小さいもの。やりたいことをする上での意識化の方向性を示すものに過ぎない」と言ったという文章がありました。
ちょっとこれについて補足で説明しておきますね。
このブログでも常にお話していることですが、1人の人間の性格構造を見るときには「エニアグラムタイプは最も重要」と言えます。それは自我同一性達成のための核となるからです。
ただ、「自分のやりたいことをやる」「人生をかけられるような仕事を見つける」という視点で見たときには、「タイプ◯だから〜をしてはいけない」「タイプ◯だから〜しなければいけない」ということではないんですね。
たとえば、「タイプ4−5や5−4だから起業家や実業家になってはいけない」「タイプ3だからアーティストになってはいけない」ということはないんです。実際、4−5にも5−4にも起業家で成功している方もいますし、タイプ3でもアーティストの方もいます。
そのタイプの長所や特性を活かして、その仕事をすればいいんですね。
ということで、もし自分のこころの構造やエニアグラムタイプをより明確に知りたいなと思う方は、ぜひ自己分析セッションにお申し込みしてくださいね。