こんにちは、元臨床心理士の春井星乃です。
現在は、心理学・精神分析・エニアグラムを通して性格構造を明らかにする「イデアサイコロジー」を提唱しています。
「仕事・恋愛・人間関係の悩みを根本から解決!最も正確な自己分析のやり方」シリーズの第11回目の記事です(まず↑の記事から順にお読みください)。
今回は、エニアグラムのタイプ7(芸人)の特徴についてお話します。
前回同様、自分や周囲の人たちに当てはまるかどうか考えながら読んでみてくださいね。
タイプ7の世界観と自己・他者イメージ
では、タイプ7の内面的特徴からはじめましょう。
第2回「フロイトの意識発達理論とエニアグラムタイプ」の記事で、タイプ7は肛門期(1歳半から3歳)の「身体対身体の世界」で「自分が世界の中心として扱われない」という不安をベースに形作られるとお話しました。
具体的には、「両親が仕事でいつも一人で留守番をしていた」「両親が自分に関心がないと感じていた」などの経験、つまり、周囲に注目されずに心にさみしさを感じる経験です。
そこから、
自己イメージ:世界に注目されず、放っておかれる自分
世界・他者イメージ:自分に注目してくれないもの
という自己・他者イメージが作られます。
タイプ7の好きなこと・嫌いなこと
このような世界観で世界を認識すると、最も怖いのは「孤独」な状態となります。
タイプ7はそうした孤独感から逃れるために、眼の前の「身体対身体」の世界で、「孤独」から逃れるために楽しい雰囲気を作り出そうとするんですね。
そして、思春期になると、人に注目されたい、周囲を楽しい雰囲気にしたい、人を笑わせたいという欲求を感じ始めます。
逆に、人に注目されなかったり、人と理解し合えずに孤独を感じることを嫌うようになります。
好きなこと | 注目されること・周囲を楽しい雰囲気にすること・人を笑わせること |
嫌いなこと | 孤独を感じること・他人と理解しあえないこと |
長所 | 明るい・度胸がある・場を盛り上げるのが上手い・独自の発想・頭の回転が速い・話し上手・繊細な優しさ・正義感が強い |
短所 | 落ち着きがない・さみしがりや・プライドが高く謝るのが苦手・弱者をいじる・注目を浴びるために演技的になる・傷つくと閉じこもる・正義感を押し付ける・潔癖 |
趣味 | 芸術全般・哲学・思想・お笑い |
仕事 | 芸能・芸術関係・人前で話す仕事 |
タイプ7の長所
このような傾向から、タイプ7は、明るい、度胸がある、場を盛り上げるのが上手い、独自の発想をする、頭の回転が速い、話し上手、ものまねが上手い、繊細な優しさがあるという長所を持つことになります。
タイプ7は基本的に自己肯定感が高く、人目を気にして恥ずかしいと思ったり緊張したりすることが少ない、本番に強いタイプです。自由を好み、社会的な圧力で束縛や指図をされることを嫌います。
また、常に面白いことにアンテナを張っており、普通の人が気づかない細かい部分を取り上げて笑いに変えるような発想力があります。
また、非常に頭の回転が早く、話している最中にも新しいことを思いつき、アドリブで素早く対応することができます。また、他人の特徴をつかむのがうまく、ものまねが得意な方が多いです。
正義感が強い方も多く、弱者の味方をする傾向があります。他人に対して非常に気を使い、繊細な優しさを持つケースもあります。
また、タイプ7は不安系のタイプで、タイプ1・4と同様に芸術的センスに優れています。
更に欲求・不安のコントロール度が上がると、以上の長所を保ったまま、孤独への耐性が上がり、そこまで周囲の注目を浴びなくても楽しい雰囲気でなくても、精神的に安定することができ、落ち着いた雰囲気を醸し出すようになります。
そして、タイプ5的な「世界のナゾ」を探求したいという方向性を持つようになり、科学や哲学・思想を追求します。多くの才能を持つタイプ7ですが、更に広く深い知識と思慮深さが加わることになります。
タイプ7の短所
逆に欲求・不安のコントロール度が下がると、落ち着きがない、さみしがりや、先延ばし癖、プライドが高く謝るのが苦手、弱者をいじる、注目を浴びるために演技的になるなどの短所が現れます。
タイプ7の欲求・不安のコントロール度が下がると、常に周囲を楽しい雰囲気にし、自分が中心でいたいという欲求を満たそうとするので、そわそわとして落ち着きがないという雰囲気になっていきます。
そして、強気で危機感を抱きにくいので、やるべきことを先延ばしにしてなかなかやらないという傾向や、プライドが傷つくようなことができず謝るのが苦手という傾向も生じてきます。
更に欲求・不安のコントロール度が下がっていくと、弱者をいじって楽しんだり、周囲の注目を引くために演技的になることもあります。この傾向が悪化すると、演技性人格障害の傾向が生じてきます。
また、タイプ7は表面的な強さと反対に、奥には非常に繊細な一面を持っています。ただ単に物理的にひとりぼっちという状況よりも、人間関係の中で理解し合えない状況に孤独を感じてひどく傷ついてしまうことがあります。
些細なことで傷ついてしまうので、他のタイプにはその感覚が理解できないこともあります。
そして、タイプ7は一度深く傷つくと、部屋に引きこもって出てこなくなることがあります。人に弱さを見せたくないところがあるので、1人で傷を癒す必要があるんですね。
欲求・不安のコントロール度が下がると、タイプ1のように周囲に「こうあるべき」を押し付け、周囲がその通りにならないとイライラする傾向が生じるケースもあります。潔癖症的な傾向を持つ方もいます。
タイプ7の趣味と仕事
次に趣味ですが、タイプ7は、まず芸術系全般に興味を持つ方が多いです。
タイプ4は1つの分野に深く傾倒する傾向がありますが、タイプ7は音楽・絵画・文学・漫画・映画・デザインなど様々な分野に広く関心を持つ傾向があります。タイプ4よりも、軽くポップなセンスを持っています。
また、お笑いや落語などにも興味を持ちやすいでしょう。
「世界を知りたい」という欲求を持つ方も多く、科学全般や哲学・思想、スピリチュアル系などを追求するケースもあります。
仕事は、タイプ7のバイタリティーや頭の回転の速さ、度胸、独自の発想力、センス、人前で話す能力などを活かせるものならば、やりがいを持って働くことができます。
できれば、あまり制約が厳しくなく、自由にやらせてくれる職場がいいでしょう。フリーランスや起業の方が向いている方もいます。
また、芸術関係全般に適性があり、センスを活かして創作を行う仕事を得意とするケースもあります。
人前で注目を浴び、頭の回転の速さ、話術を活かせるタレント・芸人・YouTuberに最も向いているタイプでもあります。
タイプ7−6の外面的特徴と有名人事例
タイプ7−6は、タイプ7にタイプ6の要素が入ってくるため、度胸があり、独自のセンスを持つ明るく楽しい人という雰囲気に、親しみやすく優しいいい人というイメージが加わります。
顔は目がやや大きく丸い印象、身体はタイプ7に共通の特徴として筋肉質という傾向があります。
◉タイプ7−6の男性有名人
イケメン系 | 香取慎吾・国分太一・井ノ原快彦 |
個性派系 | 久保田利伸・長友佑都 |
いい人芸人系 | 木梨憲武・所ジョージ・関根勤・小堺一機・山寺宏一・Hikakin(YouTuber) |
クール系 | 大悟(千鳥) |
◉タイプ7−6の女性有名人
バラエティータレント系 | 森口博子・坂下千里子・山瀬まみ・はしのえみ・篠原ともえ |
タイプ7−6の男性有名人は、「イケメン系」「個性派系」「いい人芸人系」「クール系」に分かれます。
タイプ7−6も、タイプ3−2、2−3に次いで司会者が多くなっています。親しみやすさと話の上手さ、機転がきくところなどが評価されるのだと思います。「クール系」は、タイプ7−6のいい人の雰囲気を全面に出さないタイプです。
タイプ7−6の女性有名人は、「バラエティータレント系」のみになります。いずれの方も明るく楽しい雰囲気と、誰にでも好かれる親しみやすさがあります。
タイプ7−8の外面的特徴と有名人事例
タイプ7−8は、独自のセンスを持ち明るく楽しい人という雰囲気の奥に、タイプ8の権力志向や強さを持っているというイメージになります。
タイプ7−6よりも他人の目や社会的基準・常識を気にせず、個人主義の自由人となります。
顔は、目はややツリ目で頬が高い傾向があります。身体はタイプ7に共通した傾向で筋肉質です。
◉タイプ7−8の男性有名人
イケメン系 | 二宮和也・鈴木亮平・玉木宏・大泉洋 |
個性派系 | スガシカオ・CHAGE・西川貴教・坂崎幸之助・香川真司・吉田麻也・宮根誠司 |
陽的芸人系 | 明石家さんま・高田純次・コロッケ・南原清隆・ヒロミ・岡村隆史・千原ジュニア・藤本敏史・原田泰造・梶原雄太・ラファエル(YouTuber) |
陰的芸人系 | タモリ・土田晃之・山里亮太 |
クール系 | 本田圭佑・島田紳助・ヒカル(YouTuber) |
◉タイプ7−8の女性有名人
女優系 | 水川あさみ・真矢みき・泉ピン子・松居一代 |
個性派系 | 松任谷由実・広瀬香美・倖田來未・高嶋ちさ子・平野レミ |
芸人系 | 久本雅美・上沼恵美子・大久保佳代子・イモトアヤコ・千秋・鈴木紗理奈・虻川美穂子・清水ミチコ・磯野貴理 |
タイプ7−8の男性有名人は、「イケメン系」「個性派系」「陽的芸人系」「陰的芸人系」「クール系」に分かれます。
「個性派系」はミュージシャンとスポーツ選手となりますが、ミュージシャンはタイプ7の芸術系の才能を発揮し、スポーツ選手はタイプ7の度胸や積極性、頭の回転の速さなどをスポーツにうまく利用しているのだと思います。
芸人系は、タイプ7−8の王道である「陽的芸人系」と、やや控えめで知識やセンスで勝負する「陰的芸人系」に分かれます。「クール系」は、タイプ7−8の面白さや明るさを全面に出さず、やや無表情で冷淡な雰囲気を醸し出すタイプです
タイプ7−8の女性有名人は、「女優系」「個性派系」「芸人系」に分かれます。タイプ7−8女性は男性ほど大きく雰囲気が分かれていません。
活躍する分野は違っても、どなたもやはり強くしっかりとしたイメージとなっています。「個性派系」は芸術的才能を、「芸人系」は人を笑わせる才能、話し上手、頭の回転の速さなどを売りにしています。
タイプ7は、基本的にシリアスな状況が苦手で思わず茶化したくなってしまうのですが、タイプ7−8の女性は恋愛にそれが出る場合があり、素直に女性らしく振る舞うのが苦手な人もいます。