こんにちは、元臨床心理士の春井星乃です。
現在は、心理学・精神分析・エニアグラムを通して性格構造を明らかにする「イデアサイコロジー」を提唱しています。
「仕事・恋愛・人間関係の悩みを根本から解決!最も正確な自己分析のやり方」シリーズの第17回目の記事です(まず↑の記事から順にお読みください)。
さて、前回の記事までで、みなさん一人ひとりのエニアグラムタイプを探っていきましたが、性格を構成するのはエニアグラムタイプだけではありません。
エニアグラムタイプの特徴がどのように表現されるかは、乳幼児期・児童期の自己・他者イメージ、他者化、遺伝の影響によって変わってきます。
性格の全体像をつかむには、乳幼児期・児童期の自己・他者イメージや他者化、遺伝の影響を合わせて考えることが必要になってくるんですね。
なので、この第17回の記事から20回までは、この乳幼児期・児童期の世界・自己イメージや他者化、遺伝の影響について探っていきたいと思います。
この記事では、まずあなたの乳幼児期・児童期にできた自己・他者イメージをみていきます。なかには、エニアグラムタイプ判定よりもエネルギーがいる方もいるかもしれません。少しでもキツイなと感じたら、すぐに止めて時間をおき、余裕ができたら再トライしてみてくださいね。
どうしても書けそうにない、思い浮かばない、記憶がないという場合は【チェックシート3〜5】は飛ばして、次の第18回の【チェックシート6】にいきましょう。
【チェックシート3:両親はどんな存在?】
【チェックシート3〜5】は、あなたの乳幼児期(0歳から6歳)・児童期(6歳から13歳)の記憶を掘り起こす作業になります。
まず【チェックシート3】では、乳幼児期・児童期の両親のイメージについて見ていきましょう。
子供にとっての両親というのは、心理構造の観点から見ると、自分にとっての「世界そのもの」ともいえる程非常に大きな存在です。この両親のイメージが、成長後に関わる他人や社会へ無意識的に投影されていくことで、性格に大きな影響を及ぼしていきます。
それでは、次のチェックシート3の質問の回答を書き出してみてください。
【チェックシート3:両親はどんな存在?】
◉1 0歳から13歳までのあなたにとって両親はどんな存在でしたか?両親にとってあなたはどんな存在でしたか?
(ex.あなたにとっての両親:常に寄り添って自分を導いてくれた。きちんと深い話をすることがなかった。機嫌が悪いと当たったり無視されたりした。自分の考えを押し付ける。褒められたことがない。)
(ex.両親にとってのあなた:とても大事にされ愛される存在だった。聞き分けの良いいい子だった。面倒ばかりかける子供だった。)
【チェックシート4:0歳から6歳までの経験】
では、次に0歳から6歳までの乳幼児期の経験によって作られた自己・他者イメージを見ていきます。
次の【チェックシート4】の質問の回答を書き出してみてください。
【チェックシート4:0歳から6歳までの経験】
◉1 0歳から6歳までのあなたの周囲の環境はどのようなものでしたか?両親の状態・兄弟姉妹・幼稚園や保育園の友達・先生のことなどを具体的に書いてください。
(ex.両親は喧嘩ばかりしていた。兄が大好きでいつも遊んでもらっていた。幼稚園では人気者で目立つ存在だった。幼稚園に行きたがらず泣いていた。)
◉2 0歳から6歳までのあなたにとって、周囲の人たちや世界とはどのようなものでしたか?◉1の答えを抽象化して言い換えてみてください。
(ex.自分を受け入れてくれるもの。自分に無関心なもの。言う通りにしていないといけないもの。自分を圧迫してくるもの。自分を導いてくれるもの。)
◉3 0歳から6歳のあなたはどんな子供でしたか?
(ex.素直ないい子だった。わがままだった。よく兄弟ケンカしていた。甘えん坊だった。目立ちたがりだった。)
◉4 0歳から6歳までのあなたは、自分をどのような存在だと感じていたと思いますか?
(ex.親の顔色を見ていい子にしていれば問題が起こらないと感じていた。好きなことを好きなだけやっていた。周囲に愛され大切にされていた。お姉さんらしくしていなければと感じていた。)
【チェックシート5:6歳から13歳までの経験】
では、【チェックシート5】にいきましょう。
【チェックシート5】では、6歳から13歳の児童期、小学生時代の経験から作られた自己・他者イメージを探っていきますね。
では、以下の質問の回答を書き出してみてください。
【チェックシート5:6歳から13歳までの経験】
◉1 6歳から13歳までのあなたの周囲の環境はどのようなものでしたか?両親の状態・兄弟姉妹の状態・学校の友達・先生のことなどを具体的に書いてください。
(ex.両親は仕事が忙しかった。兄弟が優秀で劣等感を感じていた。友人には恵まれた。先生には特に影響は受けていない。)
◉2 6歳から13歳までのあなたにとって、周囲の世界とはどのようなものでしたか?◉1の答えを抽象化して言い換えてみてください。
(ex.いい子でいないと認めてくれないもの。無条件で愛してくれるもの。自分を良い方向に導いてくれるもの。自分を理解してくれないもの。)
◉3 6歳から13歳のあなたはどんな子供でしたか?
(ex.リーダーシップを取っていた。真面目ないい子だった。いじめられて自信がなかった。成績が良く学級委員をしていた。)
◉4 6歳から13歳までのあなたは、自分をどのような存在だと感じていたと思いますか?
(ex.みんなに頼られ好かれている存在だった。親に認められるように行動していた。自分は価値がない人間だから、人の数倍努力しないといけないと感じていた。兄・姉らしく家事の手伝いをすることや弟妹の面倒を見ることが大事だと感じていた。)
◉5 【チェックシート3】の◉1、【チェックシート4】の◉2・4、【チェックシート5】の◉2・4で書き出したイメージは、自分の性格を構成する一部ではあるが、それだけが自分の核心ではないと感じていますか?—①
それとも、これらのイメージが今の自分そのものだと感じ、これらのイメージから生じる感情や思考をもとに行動することが多いですか?-②
① ②のどちらかを選んでください。
いかがでしたでしょうか。
この乳幼児期・児童期の自己・他者イメージを書き出すのは、分量も多いし最も大変だったという方もいらっしゃると思います。特に、ネガティブな記憶が多い方にはかなり骨の折れる作業だったのではないかと思います。
この<チェックシート3>の◉1、【チェックシート4】の◉2・4、【チェックシート5】の◉2・4で書き出した内容が、あなたの乳幼児期・児童期の自己・他者イメージとなります。
これは、エニアグラムタイプや遺伝とともに、あなたの性格を構成する大きな要素の一つとなっていますので、性格の全体像を知るにはこれを明らかにすることが必要です。
この乳幼児期・児童期の自己・他者イメージは、エニアグラムタイプが分かっているかいないか、他者化の影響があるかないかと関連して作用の仕方が変わってきます。
なので、まず他者化の影響を明らかにしてから、まとめてこの乳幼児期・児童期の自己・他者イメージの影響についてお話ししようと思います。【チェックシート5】◉5の回答はその時使用しますので、メモしておいてくださいね。