こんにちは、元臨床心理士の春井星乃です。
現在は、心理学・精神分析・エニアグラムを通して性格構造を明らかにする「イデアサイコロジー」を提唱しています。
「仕事・恋愛・人間関係の悩みを根本から解決!最も正確な自己分析のやり方」シリーズの第15回目の記事です(まず↑の記事から順にお読みください)。
前回の記事でウォーミングアップが終わったところで、いよいよ、より詳しくあなたのエニアグラムタイプを探っていきましょう。
この記事では、第5回から第13回でお話ししたエニアグラム各タイプの内面的特徴・外面的特徴が、あなたの中ではどのように表れているのかを見ていきます。
【チェックシート1】内面的特徴
それでは、ノートやメモ帳、もしくはPCのメモやワードなどを用意して、次のチェックシートの質問の答えを書いてみてください。
どうしても書けそうもない、何も思い浮かばないという場合は、第17回の【チェックシート3】からはじめても構いません。
【チェックシート1:内面的特徴】
◉1 あなたが好きなこと・楽しいこと・気持ちがいいこと・安心することは何ですか?できるだけ多く書いてください。
ex.ものが決まった位置に整然と並んでいること・他人に頼りにされること・能力が認められること・人と違った個性があること・法則性を見つけること・人に好かれること・人を笑わせること・人に慕われること・何も問題がなくリラックスできること
◉2 あなたが嫌いなこと・怖いこと・イライラすること・避けたいことは何ですか?できるだけ多く書いてください。
ex.物事が決めた通りに運ばないこと・罪悪感を感じること・能力がないと思われること・人に見捨てられること・人前で話すこと・人に嫌われること・孤独を感じること・人に従うこと・周囲の人が喧嘩しているのを見ること
◉3 あなたの長所は?できるだけ多く書いてください。
ex.キレイ好き・責任感が強い・努力家・センスがある・洞察力が高い・気配り上手・頭の回転が早い・リーダーシップがある・人の良い面を見る
◉4 あなたの短所は?できるだけ多く書いてください。
ex.自分の考えを押し付ける・頼られると断れない・自慢が多い・常識がない・閉じこもりがち・依存的・落ち着きがない・人の意見を聞かない・先延ばし癖
◉5 あなたの趣味や興味のあることは何ですか?それを好きな理由は何ですか?
◉6 あなたの仕事は?その仕事を選んだ理由は何ですか?本当にしたい仕事はどのような仕事ですか?(働いていない方は、どのような仕事がしたいですか?)
内面的特徴の分析
書いてみていかがでしたか?なかなか思いつかず苦労した方もいらっしゃるかもしれません。
今、あなたがここに書いた内容には、おそらくエニアグラムタイプの影響から生じるもの以外の、遺伝や経験から来るものも混在しています。
ではここから、エニアグラムタイプの情報を取り出していきましょう。
(1) ◉1(好きなこと)と◉3(長所)を見て、◉1が◉3を生み出しているという関係になっていると思われるものを探してみましょう。1つの好きなことに対して長所は複数でも構いません。
ex.(好きなこと)人の役に立つこと→(長所)面倒見がいい・責任感が強い
(好きなこと)能力が評価されること→(長所)努力家
(2) ◉2(嫌いなもの)と◉4(短所)を見て、◉2が◉4を生み出していると思われるものを探してみましょう。1つの嫌いなことに対して短所は複数でも構いません。
ex.(嫌いなもの)嫌われること→(短所)自己犠牲しがち・人の顔色を伺う
(嫌いなもの)馬鹿にされること→(短所)威圧的
それでは、(1)(2)の情報を分析していきます。
(3)(1)と(2)で取り出した「好きなことと長所」「嫌いなことと短所」の組み合わせの中で、(1)(2)が互いに裏表の関係になっているものはありますか?
ex.自分が優位に立つこと&努力家⇔自分が劣っていること&自慢が多い
平和で問題がないこと&おだやか⇔問題が起きること&先延ばし癖
あれば、それは◉5(趣味)や◉6(仕事)の内容とも関係していますか?
「好きなことと長所」「嫌いなことと短所」が互いに裏表になっており、趣味や仕事とも関係していれば、第5回から13回までの各タイプの内面的特徴と照らし合わせてみましょう。
あなたが書いたものと同じ内容の記述があれば、それがあなたのタイプである可能性が高いです。
趣味や仕事と関係していなくても、「好きなことと長所」「嫌いなことと短所」が互いに裏表になっており、各タイプの内面的特徴に同じ内容の記述があれば、そのタイプである可能性が高いです。
この情報は後で使用しますので、ここで可能性が高いタイプが出たあなたはメモしておいてください。
(4)(3)で可能性の高いタイプが出なかった場合は、◉1〜6で書き出した「好きなこと」「嫌いなこと」「長所」「短所」「趣味」「仕事」の中で、第5回から第13回の記事の各タイプの内面的特徴と同じものがあるか見てみてください。
同じものが1つでもあったら、そのタイプをメモしておいてください。タイプは複数でも構いません。後の結果分析で使用します。
第1回から4回目の記事までの性格の構造や第5回からのエニアグラムタイプの説明を読むことと、それが実際自分の感情や行動にどのように表れているのかを探ることとは、似ているように見えて全く違うレベルの頭を使うことなので、特に普段自分と向き合う習慣がない方にとっては、かなり大変な作業だったのではないかと思います。
でも、こうして改めて書き出すことによって、普段あまり考えずにしている発言や行動の奥には、このようなエニアグラムタイプのシステムが働いているケースがあることが実感していただければ嬉しいなと思います。
【チェックシート2】外面的特徴
では次に、あなたの外見や全体的な雰囲気から、エニアグラムタイプの外面的特徴がどのように表れているのかを見ていきます。
次の質問の答えを書いてみてください。
【チェックシート2:外面的特徴】
◉1 あなたは他人からどのような人と思われていると思いますか?自分がそう思われたいというイメージや、特定の人からそう思われているというものではなく、不特定多数の人から客観的にどう見えているかというものを書いてください。
ex.大人しくて柔らかい雰囲気で、引っ込み思案。社交的で行動力があり、好奇心旺盛など。
◉2 あなたの顔の特徴は?
目は(ex.大きい・切れ長・ツリ目・タレ目・まつ毛が長いetc)
鼻は(ex.大きい・高い・鼻筋が通っているetc)
口は(ex.大きい・小さい・唇が厚いetc)
顔の形は(ex.丸顔・面長・小さいetc)
◉3 身体の特徴は?
ex.痩せている・太め・筋肉質・足が長い
◉4 第2章の有名人のリストの中にあなたと似ていると思う有名人はいますか?
その方の名前とタイプを書いてください。複数でも構いません。
外面的特徴の分析
では、今書きだしたものを分析していきましょう。
(1) ◉1のあなたの外見的雰囲気で、第2章の各タイプの外面的特徴に当てはまるものはありましたか?
1つでも当てはまったら、可能性のあるタイプとして書き出してください。複数でも構いません。
(2) ◉2のあなたの顔の特徴&◉3の身体の特徴で、第2章の各タイプの外面的特徴に当てはまるものはありましたか?
1つでも当てはまったら、可能性のあるタイプとして書き出してください。複数でも構いません。
(3) (1)と(2)で出た「可能性のあるタイプ」、そして◉4の似ている有名人のタイプの中で共通するタイプはありましたか?
あったら、それは可能性の高いタイプとなりますので、書き出してください。複数でも構いません。
いかがでしたか?
外面的特徴は内面的特徴より書きやすかったのではないかと思います。ただ侮ってはいけません。外面的特徴はエニアグラムタイプ判定で最も重要な要素です。
人間は、自分の都合のいいように自己認知する心のシステムを持っています。なので、内面的特徴は自分で正しく認識できていない場合があります。
また、欲求・不安のコントロール度が極端に高いケースや低いケース、他者化のケースなどはエニアグラムタイプの内面的特徴がストレートに出にくくなるので、自分では分かりにくい場合もあります。
そのような場合でも、外面的特徴は自分では意識できないところで形成されていますから、最も正しく自分のエニアグラムタイプを表していると考えられます。
あなたのエニアグラムタイプは?
さて、第14回の記事の【チェックテスト】と、今回の記事の【チェックシート1:内面的特徴】【チェックシート2:外面的特徴】の3つのテストをやってみていかがでしたでしょうか?
最後に、この3つの課題の結果を総合的に分析して、あなたのエニアグラムタイプを判定していきたいと思います。
(1)【チェックテスト】で出た可能性のあるタイプ
【チェックシート1−(3)】で出た可能性の高いタイプ
【チェックシート2ー(3)】で出た可能性の高いタイプ
の中で、3つのテストで共通して出てきたタイプはありますか?
それが1つに決まれば、それがあなたのエニアグラムタイプです。
(2)(1)で出てきたタイプが複数である場合、【チェックシート2:外面的特徴】を重視してください。
(3)(1)で共通するタイプがなかった場合は、【チェックシート1ー(4)】【チェックシート2ー(1)(2)】で出た「可能性のあるタイプ」も入れて見てください。
その上で、3つの課題に共通したタイプがあれば、それがあなたのエニアグラムタイプである可能性が高いです。
複数ある場合は同様に、【チェックシート2】の結果を重視してください。
(4)タイプが判定できた場合、自動的に欲求・不安のコントロール度も決まってきます。
第5回から第13回の記事までの各タイプの内面的特徴で、欲求・不安のコントロール度が高い時、低い時の記述がありますので、自分がどの記述に近い状態か判定してみてください。
もちろん欲求・不安のコントロール度は、1日の中でも変動しますし、数日、数週間、数ヶ月、数年のスパンでも変わっていきます。最近の中での平均値で考えてみてくださいね。
さて、3つのチェックはいかがでしたか?
「やってみたけどどのタイプか全然分からなかった」「当てはまるものが複数あって分からない」という方もいらっしゃると思います。
そういう方のために、次の記事では「間違われやすいエニアグラムタイプ」と「判定が難しいケース」についてお話しますので、ぜひ読んでみてくださいね。